さて、私の仕事の1つにオフバランス(含み損を抱えた不動産の売却)があります。これは大きな税務対策になります。含み損を抱えた不動産を、別のグループ会社に売却して、多額の売却損失を計上するのです。

 売却した不動産は、これまでどおり使い続けられるように、売却先のグループ会社から借りることになります。

 このときの家賃の支払いを年払い契約にすれば、さらに税金を抑えることができます。

リース料の前払いにも使える

 この処理をすると、契約を変更した年は税金を減らすことができます。当然のことながら、2年目以降の節税効果はありません。

 また、毎年、契約内容をコロコロと変えるのはやめてください。明らかな利益調整と見られれば、税務調査で指摘を受けることになります。

 ところで、この「短期前払費用」は、家賃以外にも使うことができます。家賃以外でも、一定の条件を満たす費用は、前払い分を経費に計上できるのです。

 経営セーフティー共済や生命保険による節税も、これと同じ話です。その他、機械設備のリース料、器具や機械の保守点検料なども該当します。

 難しい表現ですが、“等質等量”ということがポイントです。つまり、常に同じサービスを受け取るものは、短期前払費用の対象になるのです。

 月刊誌の購読料や税理士報酬はどうでしょうか?

 通常、こうした支払いは定額ですから、一見、これに該当しそうな気がします。しかし、受け取るサービスの中身は毎月異なるため、これを使うことはできません。