「緊縮」イメージでは
票が減るだけだ

 これまで野党が安倍政権を倒すことができなかったのは、こうした普通の人々の願望に、野党のイメージがマッチしなかったからにほかならない。

 そのイメージというのは、端的には、景気の拡大を求めることは自然環境を破壊するもので、物質的な豊かさはこれ以上、求めず、官民ともにお金の使い方はつつましやかにすべきだと言っているようなイメージである。

 だが、それは、バブル崩壊後の長期不況や新自由主義改革に痛めつけられ、雇用も流動化し、職を失いかねない恐怖にさらされ、痛みつけられてきた人々、特にロスジェネ以下の世代にとっては、全く救われない気持ちがするイメージだろう。

 これを勘違いして、有権者は保守化しているからリベラル色を払拭すれば支持が集まるのだと誤解した政治家たちもいたが、結果は悲惨な末路だった。維新の会も旧希望の党系も全国支持率は泡沫化している。小さな政府志向のイメージが全然、変わらないのだから当然である。

 だから野党共闘すれば安倍自民党に勝てるというわけではない。緊縮イメージのする勢力と共闘したらかえって票が減る。「共産党と組んだら票が減る」と言っている当の勢力こそ、組んだら票が減る疫病神だというケースは多い。

 野党は、これまで経済政策や成長といった「経済」に無頓着だった姿勢を改めて、きちんとした経済政策を出していかないと、一時的に安倍政権がスキャンダルなどで支持を失うことはあっても、政権にとって代わることは難しいだろう。

 もちろん58%の人が「生活が苦しい」と言うくらいだから、安倍政権下の景気はまだまだ十分ではない。その原因をふまえて、「我々はそうはならないようなもっとよい景気を実現する」と言えば野党は勝てる。

 そして実際にそのやり方はあるのだ。

アベノミクスの抱える「弱点」
内需弱く、海外要因に影響受ける

 安倍政権は、成立後1年足らずの間は、公共事業を大盤振る舞いして政府支出を増やしたが、実はその後は、政府支出は頭打ちにしている。下のグラフのように、実質GDPは、だいたいはこれをなぞって推移している(図表5)。

実質公的需要と実質GDP内閣府GDP速報より筆者作成 拡大画像表示