その後、武田薬品経営企画部長・社長室長兼務の福富康浩会長が、社長職を暫定的に担っていた。

 国内大衆薬会社社長に外資系製薬出身者が就くのは異例。武田薬品が外国人社長CEO体制となって久しいが、業界関係者は、「今回の件一つ見ても、タケダが外資系になった証拠」と冷ややかに見る。

Xデーは臨時株総後?

 子会社化前後から、「親会社はいずれ売却するつもり」との観測が金融業界や投資家筋の間であった。

 一方、業績は18年3月期で売上高785億円、営業利益212億円と絶好調。杉本社長(当時)は「連結業績に貢献しており、好調な限り、身売りはないと思う」と外野のざわつきを抑えていた。

 今年5月、武田薬品がアイルランドのバイオ医薬大手シャイアー買収を発表するころから状況は一変。具体的な売却検討額とともに身売りの観測は再び熱を帯びてきた。買収で武田薬品は有利子負債が計約6兆円になる見通しで、ノンコア事業売却のさらなる加速をにおわせたからだ。

 武田薬品の名を世に知らしめてきた「アリナミン」シリーズなどを販売する武田コンシューマーヘルスケアは、売上高では武田薬品(同期1兆7705億円)の一部にすぎないが、多くの日本人にとっては武田薬品の顔である。売却となれば一部創業家などの反発が予想され、事実上シャイアー買収の賛否を株主に問う臨時株主総会(年明けの見通し)までは武田薬品も動きにくいだろう。そのため、「Xデーは臨時株総後」(あるアナリスト)との観測が浮上している。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)