自己犠牲で苦しい
Aさんのケース

「自己犠牲」をやめれば、人生は驚くほど好転する和田裕美(わだ・ひろみ)
京都生まれ。作家 株式会社HIROWA代表、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。営業力・コミュニケーション力・モチベーションアップのための講演・コンサルティングを国内外で展開している。
累計200万部超の著書に、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『幸せをつかむ! 時間の使い方』『人づきあいのレッスン』『「やる気」が出るコツ、続くコツ』『和田裕美の営業手帳』(以上、ダイヤモンド社)など多数。
外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界第2位の成績を残し、その後、女性初の最年少支社長となった実績がある。
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さて子育て主婦のAさん、夕方のお買い物。渡されたレシートを確認するとお会計が間違っている。

どうしよう…言うと面倒な人と思われないかな…。
「あの~これ、違うんですけど…」と言いにくそうにAさんが告げると、「あ~」と言うレジのお兄さん。

その横顔が困った顔に見えて、「わたしのせいで、こうなった」「あれくらい我慢したらよかった」と下を向いて後悔するAさん。

そしてだんだんと「どうしてわたしの順番に限ってこんなことに」「わたしばっかりいつもついてない」と自分のタイミングの悪さが嫌になってしまいました。

気がつくとレジは長蛇の列になり、今度は後ろで並んでいる人の態度が気になってしまいます。
やはりここでも「わたしのせいで迷惑をかけてしまった」「きっとわたしを疎ましく思っているだろうな」と気になり、後ろを向くこともできない。

気分が最悪になったままスーパーを出て家に戻っていたら、ダンナさんに頼まれていたクリーニングを受け取りに行くのを忘れたことに気づきました。
クリーニング屋さんは、さっきのスーパーのさらに向こうにあります。
「ああ…」とため息をついてきた道を引き返します。
ダメダメな自分に、なんだかみじめで泣きそうです。

そしていつもよりも40分ほど家に帰るのが遅くなりつつも慌ててようやく家に到着すると、そんなときに限って定時で帰ってきたダンナさんが。
子どもとお菓子を食べています。

さっき掃除をした床にお菓子がこぼれているのが目に入ります。
「遅かったじゃないか」
「だって…」と手にしたクリーニングを見つめて言葉が出ません。
「何? クリーニング、今日でなくてもよかったのに」
「でも…このシャツ明日着るんじゃ…」
「いいよ、他にあるし、それよりゴハンまだ?お菓子食べちゃったよ」
「あ、そのお菓子は、宿題をやったときだけ、ごほうびにあげているの…」
「腹減ったんだから仕方ないだろう。飯まだ?」
「ご飯、今から炊くから30分は…」
「え~30分! たまに早く帰ってきたのになあ」
「ぼく、お菓子でいいもん!」と息子が言う。

あなたは、脱ぎっぱなしになった靴下を拾いながら、さらに悲しくなります。
「なんでわたしばっかり…」
そして、そんな自分がとても不幸に感じます。

もう何もかもいやになってしまいそう。
こんなダメな人生のダメな自分が嫌い。

こうなると溜まったストレスで爆発してしまいそうです。

Aさんのような経験、わたしにもあるという人、多いのではないでしょうか。