あなたの周りにも「増上慢」が
この掲示板の言葉、耳に痛い人がいるかもしれません。
私にも経験がありますが、お年寄りに限らず、過去の自慢話を延々とする人がいますね。
話している本人は気持ちが良いのかなと思うのですが、同じ話を何回も聞かされる方はたまったものではありませんね。
仏教には「増上慢(ぞうじょうまん)」という言葉があります。それは、悟りを得ていないのに得たと思い込んで高ぶった慢心のことです。過去の武勇伝や成功物語を飽きることなく繰り返す人は、過去にとらわれ思いあがってしまっているのです。
過去ではなく、「いま、ここ、自分」が大切です。仏教の教えに触れて、今の自分を見つめることが大事なのです。
未来の自分は自分次第
「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
これはカナダの精神科医であるエリック・バーンの言葉で、自分が影響を及ぼすことができるのは自分だけで、自分を変えることで未来を変えることができる、ということを意味しています。
わたしたちが抱えている苦しみの多くは、他人と比較したり、過去にとらわれたりすることによって発生しています。この苦しみから離れるには、いまの自分の姿を冷静に見つめて、自分の振る舞いを改めることにより、未来の自分の姿を変えていくしかありません。これこそが仏教的な生き方なのです。
(解説/浄土真宗本願寺派僧侶 江田智昭)