「近頃の若者」を語る
年配者が陥りがちな二つの視点
知人が催したジェネレーションギャップを語る会というのに出席した。
実は、私自身は、あまりその手のギャップを感じたことはない。テレビドラマ「水戸黄門」の登場人物「うっかり八兵衛」の話が、20代の人に通じなかった、ということがあったくらいである。
むしろ、普段から「業種の違い」、「地方と東京の違い」、「外国と日本の違い」「大企業と中小企業の違い」などにいろいろ悩まされているので、世代間の価値観の違いには興味が薄かったのだ。ただ、実際は、私と付き合いのある若い人が世代間ギャップを感じて気まずい思いをしないよう、いろいろ気を遣ってくれているのだと思う。
周りを見ると、だいたい、おじさん世代の人たちが、20~30代の人たちについての印象を語るときの口調は、見事に二通りに分かれる。「いまの若い人こそ素晴らしい」と熱弁するか、「問題点をこれでもかとあげつらうか」、二つに一つである。
前者の立場の人は、若い世代の感性・真摯さ・独特の関係性づくり・利他性などに大いなる可能性を見出している。一方、後者の立場では、合理的すぎる・ひ弱である・エネルギーが不足している・リスクテイクしない、といったところが不満らしい。実際には、どうも自分たちとの違いを肯定的に捉えるか否定的にとらえるかの違いにすぎないようだ。