日々膨大な仕事をこなす一流のクリエイターは、どのように仕事を進めているのでしょうか?

くまモン、相鉄、Oisixなど、多くのプロジェクトを手がけるクリエイティブディレクター・水野学氏。水野氏が大切にする仕事の基本は、意外にも「段取り」とのこと。仕事を効率的かつ高いクオリティでやり遂げるためには、「段取り」が欠かせないといいます。今回は「段取り」に役立つ「時間ボックス」で仕事を割り振る方法をお伝えします。

これからの仕事の基本である、「段取り」の秘密を全公開したのが『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(ダイヤモンド社)。この連載では本書から一部を抜粋・再編集し特別公開します。<構成:須崎千春(WORDS)、編集部>

しんどいか、ラクかは考えない。「時間箱」に詰めるだけの、段取り仕事術すべての仕事のコマ数をはかり、時間ボックスにきっちり詰めていく。重要度は関係なく詰めるのがポイント

仕事は「メンタル」でなく、
すべて「時間」ではかる 

 ぼくは仕事には「段取り」が必要だと考えています(詳しくは第1回をご覧ください)。  

 その、段取りのコツとしてぼくがおすすめしたいのは、すべての仕事を「時間」ではかるということです。

 つまり「軽い仕事・重い仕事」というものはなくて、「短時間で終わる仕事」と、「長くかかる仕事」という目安で、やるべきことをはかるのです。

 そうすれば、一見かたちが違って見えても実はどれも正方形を組み合わせたテトリスのコマ同様、すべての仕事を同じものとして扱えます。

 大切なのは「重要度」はもちろんのこと、「精神的な重い・軽い」で仕事をはからないことです。「10分で終わるけどつらい仕事」と「1時間かかるけれど楽しい仕事」という考え方をしていると、仕事の計測が狂ってきます。

 30分が1コマとして「短時間で終わる仕事」は1コマ。「長くかかる仕事」は6コマ必要かもしれません。すべての仕事のコマ数をはかり、時間ボックスにきっちり詰めていきます。

 1日の時間ボックスの中には、「13時から15時まで会議」などと、すでに埋まっている部分もあるでしょう。それなら空いている午前中と15時以降に、仕事のコマを詰めることになります。