5.「問題」と「感情」を分ける

「事実と意見の分離」を発展させたものが「問題と感情の分離」です。たとえば部下の仕事が遅くて締め切りを守れなかったとします。「締め切りを守らないなんて社会人として失格だ!」と怒るのは感情です。

 そうではなく、「締め切りを守らなかった」という問題と、「そのことが許せない」という感情に分けて、問題は問題として、「なぜ彼は締め切りが守れなかったのか?」と冷静に対処する。感情が湧き起こるのは致し方ないのですが、それによって大事な「問題」を見過ごすことがないようにすべきです。

「事実と意見」を混同しない、さらに「問題と感情」を混同しない。それらを分離することで、感情コントロールの回路が次第にできあがってくるのです。

優秀なビジネスパーソンほど「原則」に立ち返れる

 感情コントロールで必要なのがロジカルな思考です。それによって目の前の一見混とんとしている問題を仕分けて、スッキリとクリアにすること。問題を見える化することが第一歩です。マッキンゼーでもどこでも、本当にこの人は仕事がよくできるなと思える人は、ロジカルに問題を設定し、解決することができる人たちでした。

 この記事ではロジカル思考の具体的な方法として、「問題を分ける」方法の一部を解説しました。すなわち「自他の問題を分ける」「事実と意見を分ける」「コントロール可能な問題と不可能な問題を分ける」……。

 それらをひと言で言うなら、「思考をシンプルにする」ということ。ビジネスエグゼクティブと呼ばれる人たちは、まず例外なく思考がシンプルです。思考をシンプルにすることで、物事はクリアになっていく。それによって、何をどうすべきかがスーッと見えてくる。それができれば、一見ゴタゴタした感情問題も、驚くほど簡単に解決することができるのです。