もっとも、これでホンダとソフトバンクとの提携がご破算になるかというと、そんなことはなさそうだ。

 ホンダは2年前からのソフトバンクとの連携を継続していくだろうし、GMとの提携も燃料電池車関連提携から自動運転も含めて広げていくことになるだろう。

次世代モビリティ企業への投資活用を広げる
ソフトバンクグループ

 ソフトバンクグループもまた、今回のトヨタ、先行して提携しているホンダをはじめ、世界を股にかけて次世代モビリティ企業への投資活用を広げていくことになる。

 孫社長は先述した豊田章男社長との対談の際にも「“群戦略”でモビリティとAIを重ねることでソフトバンクグループの存在感を示していく」と語っている。

 また、トヨタも「仲間づくり戦略」と豊田章男社長が言うように、EV基盤開発会社には当初のマツダ、デンソーに加え、今やダイハツ・日野・スバル・スズキ・いすゞ・ヤマハ発動機も参加し、自動車メーカー日本連合軍となっている。トヨタグループ内での戦略についても「ホーム&アウェー戦略」とし、デンソーをはじめとする有力サプライヤーとの協業と自律化の両面作戦をとっている。

 いずれにしてもトヨタとホンダの新たな仲間づくりは、大変革時代を生き抜くための方向であり、IT企業や半導体企業などとの連携は必須であろう。デンソーの有馬社長も「トヨタとは価値観を共有しており、今回のソフトバンクとの提携も我々のやるべきことをしっかりやっていくことを改めて自覚した」と語る。

 これに対するソフトバンクグループの総帥、孫社長は「これからのクルマは、半導体の塊になる」との発言に見られるように、今後のモビリティを見据えている。ソフトバンクには、栃原広報室長がマツダ広報出身の他、子会社のソフトバンクモバイルの藤原CFOもマツダ出身と人材面で自動車会社との接点も多い。

 孫経営のモビリティ革命への「群戦略」は、トヨタとホンダとの「両面作戦」で、どこまでウィン・ウィンの関係を構築できるかが注目される。