1月第1週の円安、第2週の円高に続き、第3週は円安となりました。この結果、経験的にいうと、1月は円安となり、そうなると、昨年9月「リーマン・ショック」に前後して展開してきた円高・ドル安がついに一段落することになります。
さて、100年に一度の金融・経済危機の中で、果たしてそんなふうに首尾よく進むでしょうか――。
「運命の1月第3週」は円安になった
試される「危機相場」の一段落
前回も書いたように、1月に入って第1週と第2週でドル/円が逆方向に動いたことは過去10年間で5回ありました。そして、この5回のすべてについて、第3週の方向性と1月全体の方向性は一致していました(「円安か? 円高か? 新年相場は今週決まる」参照)。
その意味で、今回、先週の動きが注目されたわけですが、その先週は90円程度で取引スタートになったドル/円が、90円を越えてのドル高・円安で取引を終えました。つまり、「運命の第3週」が円安になったことで、1月も円安になる可能性が経験的には高くなったと言えるでしょう。
ところで、1月のドル/円は91円程度での取引スタートでした。その意味では、1月がドル高・円安になるということは、月末終値が91円を上回るということになります。果たして、100年に一度の危機とされる中で、そんなふうに経験的に確率の高いシナリオどおりの展開となるでしょうか。
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ただし、もしも経験どおりに「1月円安」となるようなら、逆説的ですが、それは100年に一度の「金融危機」相場の中でも1つの節目に差し掛かっていることを裏付けることになりそうです。
ドル/円は、昨年9月から12月まで4ヵ月連続でドル陰線引けとなってきました。もしも「1月円安」となったら、昨年8月以来、5ヵ月ぶりのドル陽線引けということになるわけです。
過去4ヵ月連続のドル陰線引けの中で、リーマン・ショックに前後した金融・経済危機相場が展開してきたのですから、それが一段落した可能性すら出てくることでしょう。
金融・経済危機相場の中では、ドル安・円高だけでなく、クロス円の下落、そして株安・債券高(金利低下)が広がってきました。経験どおりに、「1月円安」となるかどうかは、そんな危機相場全体の一段落を試す意味があると思います。
ただし、首尾よくそんなふうになっても、それはあくまで一段落に過ぎず、危機相場全体の完了を意味するものではないと思っています。それについて「為替の1月効果」との関連でも説明してみたいと思います。