景気以外の要因が上昇圧力

 しかし、次なる急落の懸念は依然残っている。その要因は、やはり米国の長期金利の動向だ。

 通常、株価が下落すれば、リスクを嫌った資金、景気の先行きを不安視した資金が債券に流れて長期金利は低下(価格は上昇)するのだが、16日の終値は3.165%。株価が同水準だった8月後半は2.8%台。明らかに現状の水準は高止まりしているといえる。

 市場では、景気の堅調さ以外の要因が米国の長期金利の水準を切り上げさせているとみる。

 その一つ目は、トランプ減税などによる財政拡大、FRB(米連邦準備制度理事会)のバランスシート縮小に伴う再投資額減少による国債需給悪化である。需給悪化は価格を下落、金利を上昇させる。

 そして、二つ目は、収まる気配が見えない米中貿易摩擦による「中国製品へのさらなる関税引き上げによる物価上昇、つまり景気過熱からではない要因でFRBが利上げに追い込まれるのではないかとの懸念」(土信田雅之・楽天証券経済研究所シニアマーケットアナリスト)である。

 景気拡大に合わせて金利が上昇していくのであれば、株価下落、そして景気の減速をそれほど心配しなくてもいい。しかし、上記のように景気以外の要因の金利上昇となれば話は変わってくる。

 足元の景気は確かに堅調だが、減税による効果は来年には剥落していく。米国の長期金利が景気動向以外の要因で高止まりとなれば、景気をさらに減速させる要因となるだろう。そうなれば、米国株のみならず世界の株式市場が再び急落に見舞われる公算は小さくない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)