トルコ、リラ急落
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 トルコでは、過去数年にわたって慢性的なインフレ状態が続いてきた。

 にもかかわらず、夏場以降のエルドアン大統領の利上げ牽制発言などによる「圧力」に屈する形で、トルコ中央銀行が正常な金融政策運営が出来ない状況が続いてきたことに加え、米国人牧師の身柄解放を巡る米国との関係悪化懸念をきっかけに、通貨リラが急落した。

 この通貨リラの急落をきっかけに、国際金融市場には「トルコショック」とも呼べる動揺が広がり、トルコと同様に経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が脆弱な新興国では、資金流出の動きが強まった。ただし、トルコ中銀は9月の定例会合において事前の市場予想を上回る利上げを実施したことで、国際金融市場が抱いていた同中銀に対する不信感の払拭に繋がる対応を見せた。

 さらに、米国との関係悪化の火種となってきた米国人牧師の身柄についても、トルコの裁判所の決定に従い釈放されたことから、悪化した両国関係が改善に向かうとの期待が高まっている。こうしたこともあり、夏場以降の「ショック」は足下では収束したと捉えることが出来る。

 トルコ経済は2000年代以降高い経済成長を記録している。世界金融危機の直後に小休止したが、危機後も定常的に比較的高い成長率を続けてきた。

 16年夏に発生したクーデター未遂事件の直後に一時的にマイナス成長に転じたものの、その後は政府の景気刺激策による家計消費の押し上げや、最大の輸出相手であるEU(欧州連合)圏の景気の堅調さを背景とする輸出拡大を追い風に、早期の景気回復を実現した。