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『週刊ダイヤモンド』11月3日号の第1特集は、「投資に役立つ地政学・世界史」特集です。本特集では、混迷する中東情勢を理解するために、第1次世界大戦時の英国と戦後の米国の近視眼的な行動について振り返りました。これは、今も続く混迷と繰り返される紛争の遠因であり、発端となっているからです。本誌に掲載した解説記事をダイヤモンド・オンラインで公開します。

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 戦後4度にわたり、戦火を交えたイスラエルとアラブ諸国、解決の糸口が見えないイスラエルとパレスチナとの和平交渉。根深い対立の構図が生まれた背景には、第1次世界大戦前後の英国の“三枚舌”外交がある。

 第1次大戦では、英国、フランス、ロシアを中心とする連合国と、ドイツ、オーストリア・ハンガリー帝国、オスマントルコなど同盟国が戦った。英国は、戦いを有利に進めるために、オスマントルコの領土に住むアラブ人に反乱を起こさせようと企てたのである。

 メッカの太守であったフセインと英国のエジプト高等弁務官であったマクマホンが1915年10月に取り交わしたのがフセイン・マクマホン協定だ。英国は、フセインがオスマントルコへの反乱を起こすことを条件にアラブ人国家の独立を認めた。