イオンと地元の地域ポイントがタッグを組み、地域活性化を図る

 イオンは「ご当地WAON」を全国111自治体で発行しているが、WAON加盟店で支払うと利用金額の一部を寄付できるだけでなく、地元の共通ポイントをためる仕組みもある。この仕組みを利用しているのが、香川県高松市の地域共通ポイント「めぐりん」だ。

 めぐりんは、高松市で飲食店を営んでいた善生憲司さんが、ご当地WAONにデータ書き込みの相乗りができることを知り、2009年に地域非公認で始めた共通ポイントサービスだ。高松兵庫町商店街での導入を手始めに高松市内の飲食店を中心に拡大し、現在約500の加盟店を持つ。

 めぐりん加盟店で100円支払うごとに1ポイントがたまり、加盟店で1ポイント1円で利用可能だ。店頭ではもちろんWAONカードが使用でき、WAONポイントも同時にたまる。

 そこまで普及したのは、WAONと相乗りしたからだ。めぐりん導入当時、商店街はイオンに客を取られていたが、商店街の理事は善生さんにこう言ったという。

 「電子マネーを使うお客さんが店の前を歩いている。イオンまで行かなくても電子マネーを使えるようにして、引っ張ってくればいい」

 今では人口41万人の高松市で、「めぐりんWAON」は、20万枚以上発行されている。

 イオンにとってみれば、なかなか進出できなかった地方の中小・零細店舗へのWAON開拓ができ、願ったりかなったりの展開だ。イオンリテール電子マネー推進本部の上山政道本部長は地方の開拓について、「WAONは身分証や社員食堂などのマネーカードにもなる。今後は大学や総合病院など、職域との年50社の提携を目指す」と意気込む。

 地域金融機関がキャッシュレス化を担う事例もある。