ローソンでは、今年4月、セルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」の実証実験を開始した。ローソンスマホペイは、ローソンの公式アプリに自身のクレジットカードなどをひも付けておき、店内で商品のバーコードをスマホで読み取るだけで決済が完了する仕組みだ。混雑時でもレジに並ばなくてよいため、入店から退店まで約1分で済む。
17年11月に立ち上げた「無人決済プロジェクト」の一環で、これは、上海のローソンで展開していたキャッシュレス決済の仕組みを取り入れたもの。現地を視察した竹増貞信社長の「やるぞ」という鶴の一声で、日本でも始めることになった。
実証実験の店舗では、混雑時にレジの混み具合を見て帰っていた客が購入するようになり、1日数万円の売り上げ増となった。それだけではなく、平均売上金額を比べると、ローソンアプリを使う人は使わない人より1.6倍ほど多い。「目指すのはローソンアプリの強化」とローソンマーケティング本部プロモーション部の白井明子シニアマネジャーは明言する。
実証実験の成功から、今後は導入店舗を一気に拡大。19年2月末には100店舗での展開を目指す。
ローソンの場合、コスト面では、導入時にビーコンや専用パソコンを設置する程度のため、数万円で済む。人手不足に悩むフランチャイジーからの問い合わせが殺到しているという。
QRコード決済という新たなサービスの登場により、現金決済しかなかった中小店舗や地方で、キャッシュレス化が広がりつつある。