佐山 経営者は、まず私利私欲があってはいけない。「自分が偉くなろう、儲けよう」などという思いが前面に立っている人には誰も付いてきません。とにかくみんなと一緒に良い会社を作ることだけを考えて行動すれば、あとはみんなが付いてきます。

 もう1つは、「経営者は何を考え、いつも何をしているのか」が、社員から見えていなければいけない。それを伝えることが経営者の責務だと思います。いろいろな会社のセミナーの際に、その参加者にアンケートを取るんです。「あなたの会社の社長は何パーセントくらい頑張っていると思いますか?」と。

 オーナー企業の社長のパーセンテージは高いですが、一般に誰でも知っているような大企業になればなるほど、そのパーセンテージが減っていくんです。

日本企業の社長は「スタート」
ではなく「ゴール」ではないか?

スカイマーク再建のキーマン・佐山展生氏「企業が本当に目指すべき日本一とは」

多田 それは役職や部署にかかわらず、そうなのでしょうか。

佐山 はい、一般社員でも管理職でも変わりません。なぜかといえば、ほとんどの大企業にとって「社長=ゴール」なんです。つまり、社長は入社以来目指してきたそのゴールテープを切った人なんです。社長就任は「スタート」じゃなく「ゴール」なんです。大企業は、みんなが頑張って、その会社の慣性力で回っていくのです。

 ゴールテープを切った人は、真剣に社員にメッセージを出すことはしませんから、社員からもトップの姿が見えないのです。スカイマークでのアンケートでは、95%程度の力を出していると評価してもらっていますが、もし毎週のメッセージを出していなければ、私がスカイマークについて何を考え、何をしているかまったく見えないはずで、低いパーセンテージしか出ていなかったと思います。

「定時運航率日本一」を達成できたのも、毎週のメッセージの中で「こんなセミナーがあり、そこでもスカイマークが定時運航率日本一を目指しています、とお話ししてきました」と、繰り返し毎週「定時運航率日本一」発信をし続けてきたことも大きかったと思います。

 だから社員のみなさんとの集合写真も、人差し指を立てた「一番ポーズ」なんです。要はみんなに「日本一」を意識してもらうために、その思いを繰り返し発信してきました。

多田 やはりお話をうかがっていても、働く人を常に中心に置いていらっしゃると感じます。