2016年6月、英イングランドのミッドランド地域にあるこの町の住民の70%近くが、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に支持票を投じた。脱工業化の時代を迎えているこの町は、反EU派の砦(とりで)となったのである。「リーバーズ」と呼ばれるEU離脱派は、英国の明るい未来を夢見ていた。ブレグジットは、他の欧州諸国からの新たな人口流入の抑制に寄与し、鈍感でおせっかいに思えるブリュッセルの官僚主義から英国を開放する、と彼らは感じていた。経済を再活性化する新たな貿易協定を英政府が自由に締結できるようになると考えていたのだ。離脱を支持した人々の多くは現在、幻滅を感じている。彼らは、テリーザ・メイ英首相が先週EUとの間で取りまとめた離脱合意案は2016年の国民投票の結果に対する裏切り行為だと語る。
反EU砦の町、英首相の離脱合意案に幻滅するまで
「首相は極めて軟弱な女性だ」
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