会社側が提案した取締役候補の賛成率が、17年実績の90%以上から、18年は約65〜75.5%にとどまったことを受けて、オアシスのフィリップ・メイヤー最高執行責任者(COO)は総会後、「今回の株主提案の否決で、われわれが負けたとは思っていない」と言い放ったのだ。

巨人ファンドの参戦に加え
クラリオンの売却で増す強気

 その言葉通り、オアシスは反対攻勢を強めていく。経営統合に賛成だった定時株主総会での方針を180度転換。統合すらも反対したほか、配当は1株あたり300円と会社提案の3倍もの額を要求した。

 運用資産(AUM)がわずか10億ドル程度で、投資ファンドの中でも小さいオアシスだが、350億ドルのAUMを誇り、米アクティビストファンドの巨人ともいわれるエリオット・マネジメントの“参戦”によって、オアシスは勢いを増していく。

 というのも、オアシスが保有するアルパイン株は9.18%(10月30日の変更報告)。エリオットも9.9%(10月10日変更届け)保有しており、両社合わせて18.63%になるからだ。

 オアシスによれば、これ以外にも賛同する機関投資家や個人がいるといい、エリオット分も含めて議決権ベースで43%程度は獲得できるとしている。議決権行使率は9割だとしても、会社提案を否決できると見ているわけだ。

 それだけではない。時を一にして、日立製作所がアルパインと同業でカーナビシステムなどを手掛けるクラリオンを、フランスの自動車部品大手フォルシアに約800億円で売却したことで、オアシスの鼻息はさらに荒くなる。

 オアシスの試算では、EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)倍率が11.2倍のクラリオンをベースとしてアルパインの株価を計算すると、4700円を超えてもおかしくないと主張する。

 これに対しアルパイン側は、クラリオンのケースではデューデリジェンスなどの正式なプロセスを踏まないまま、当事者間で合意した取引であることに加え、「親会社と子会社の合併とは異なる」と一蹴。その上で、クラリオン買収におけるプレミアム率が31.2%であるのに対し、アルパインも29.1%でほぼ同等だと反論している。