「プロフェッショナル未満」の人が
成果をあげられなくなることも

 裁量労働制やフレックスタイム制といった柔軟な働き方がなじむのは、専門性が高いプロフェッショナルの人たちです。裁量労働制はもともとそういう制度です。

 ただし、プロフェッショナルであるということは専門性の高さはもちろん、セルフマネジメントができるかどうかも重要な要素になります。質の高い成果やアウトプットを継続的に出し続けるには、セルフマネジメント能力が必須だからです。たまによい成果を出すことはあっても継続できないプロフェッショナル未満の人は、これが弱いことが多いようです。

 プロフェッショナル未満の人が裁量労働制やフレックスタイム制で「柔軟な働き方」に従事するとセルフマネジメントができないため、これまでのような成果を出せなくなる可能性があります。これも柔軟な働き方ができる企業へ転職するリスクの一つです。

 当社でもかつて、人材紹介という仕事の才能に溢れた人材が中途入社してきたことがあります。彼の妻も「夫はこの仕事にすごく向いていると思います」と言っていたくらいで、我々も期待して迎え入れました。

 ところが実際に入社してみると遅刻や休みが多く、勤務態度に問題がありました。はたから見ている限り、ルーズな生活が体調やコンディションに反映され、勤怠が悪くなり、成果も出せなくなるという悪循環に陥っていました。本当に惜しいと思うのですが、この社員は期待されていながら結局、退職することになりました。

 プロフェッショナルの一丁目一番地はセルフマネジメントです。リクルート創業者の江副浩正さんも「優秀な営業マンとなるのに必要な要素はセルフマネジメントだ」とよく言っていました。おそらく元ネタはドラッカーだと思いますが、ご自身の実体験も合わせてそう言っていたのでしょう。

 よりよい成果を生み出すため、常にコンディションのよい状態でいる。ちゃんと明日のために今日をコントロールできる。これができないと柔軟な働き方がかえってマイナスに働くことがあります。転職に限ったことではありませんが、セルフマネジメントができているかどうかは自分自身でチェックしておく必要があります。