自力で何とかしようせず
街との連携で回遊性を高める

 そして3つ目として、「街との連携」により、中心市街地のエリアそのものの魅力を向上させると共に、回遊性を持たせることだ。地方では郊外大規模店舗の進出により、中心市街地そのものの賑わいが衰えているところも多いが、商店街、駅ビル(鉄道会社)、自治体との連携により対処しているところもある。

 2015年に大分駅にできた駅ビル「アミュプラザおおいた」は、商業施設のほか、映画館や温浴施設もあり、2017年度に入館数が2266万人を達成するほどの人気で、駅ビルがマグネットとなり、一時期寂れていた中心市街地に活気が戻った。駅ビル運営会社は、開店前から地元大型店や商店街の連携組織に加入し、駅ビルで人の流れを留めることなく、共同で中心市街地の活性化に勤めてきた。たとえば、駅ビル、老舗百貨店のトキハなどの大型店と商店街が連携し、合同のバーゲンイベントを行うなど、連携イベントも行っている。こうした結果、トキハにも若い客層が増えているという(大分合同新聞2018年4月17日付による)。

 また、高知では、高知へのクルーズ船の寄航が増え、インバウンド客が増えるなか、高知大丸が地元商店街と連携し、地元の商店街で購入した免税品の手続きの免税一括カウンターを設けた。これにより、高知大丸での外国人客の売り上げも伸びたという。

 地方百貨店は、何かと店舗内に人を呼び込むべく、全国の人気店舗を呼び込むことに注力した結果、東京のミニ版、劣化版と化した。しかし、「街でここでしか手に入らないもの」、「街で日常的に必要とされている機能」が具体的に各店舗の立地においてどのようなものかを探すと共に、「街との連携」により街の魅力を増やすことで、街自体への来客を増やしていくことが求められている。

(日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 マネジャー 圓角史人)