それにもかかわらず、従業員規模500人以上の大規模事業所以外の事業所のサンプリング方法のローテーション・サンプリングへの変更について、承認申請が行われた際の統計委員会第67回サービス統計・企業統計部会(平成28年11月24日開催)では、「従業者規模500人以上の大規模事業所については、これまでしっ皆調査(調査対象事業所の入替えの際にも継続して調査対象としていた)で行われていたが、ローテーション・サンプリングの導入後は、どのような対応となるのか」についての総務省からの照会に対して、厚労省は「規模500人以上の大規模事業所の取扱いについては、ローテーション・サンプリングの導入後、現状と同様、しっ皆調査で行う予定であり、事実上、常に継続サンプルとして報告を求めることになる」と回答、総務大臣に提出した申請書にも「ただし、規模が500人以上の事業所については、全数調査とする」と記載、そして当該部会の議事録によれば、厚労省の石原政策統括官付参事官(雇用・賃金福祉統計担当、当時)は「500人以上の大規模事業所についての取り扱いでございます。この点はローテーション・サンプリング導入後も現状同様にすることにしております」と発言している。

嘘をつき続けてきた厚労省
政府は不正に対し異例の対応

 端的に言って、厚生労働省は不正をひた隠し、嘘(うそ)をつき続けてきたということである。

 また、毎月勤労統計は、月々の賃金、労働時間、雇用の変化を迅速に把握することを目的とした統計であり、雇用保険の基本手当日額の算定資料等となっている。

 ところが、こうした不正が行われてきた結果、統計調査により得られた「毎月決まって支給する給与」の額が低く出ていたため、離職者等が雇用保険等により給付される額(いわゆる失業給付等)が、本来受け取ることができる額より低くなってしまっていたことになり、政府は既に閣議決定した予算案を、追加給付分を増額して修正し、再度閣議決定するという異例の対応をせざるを得なくなった。

 こうした事態に、野党側は、不正の追求・解明を第一に掲げて攻勢を強めている。対する与党は、まず政府の統計について56の基幹統計を中心に点検を行うことを官房長官記者会見で表明しこれを実施、1月24日に本件について審議する厚生労働委員会の閉会中審査が与野党合意の下に開催された他、厚生労働省関係部局幹部の懲戒処分を行う等、火消しと問題の幕引きに躍起になっている。

 毎月勤労統計調査を巡る不正により、まさに与野党を問わず大騒ぎになっているわけである。