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 米ボストン大学のPatrick McNamara教授とWesley J. Wildman教授らは、悪夢障害の治療法としてVRを活用したプログラム「ReScript」が、患者に有効な結果をもたらしたとする調査結果を発表した。

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 調査対象は約1ヵ月の間悪夢障害をもつ19名で、参加者にはVRヘッドセットとコントローラーを渡した。研究所に週2回通う参加者の不安感や悪夢のストレス、悪夢の影響をモニタリングした結果、すべてでストレスレベルが軽減したと明らかになった。

 現在悪夢障害にもっとも効果的とされる治療法は「イメージリハーサル療法(Imagery rehearsal therapy)」という認知療法。イメージリハーサル療法は、患者の見た悪夢を悪いイメージから良いイメージに置き換えるように指導する。

 一方で「ReScript」は、イメージリハーサル療法にVR技術を用い、VR内で悪夢のイメージを置き換える。McNamara教授によると、本療法はあえて不安を刺激し、不安への過剰な反応を徐々に緩和させる、暴露療法の行動哲学に基づいた設計を実現。悪夢障害の場合、治療に重要な悪夢のイメージを段階的に変化させられると説明している。

 調査結果はVRで悪夢のイメージを生成することで、患者が自分自身で悪夢をイメージする負担を軽減させられる、と結論づけている。患者が悪夢をイメージする能力に頼っていた部分を解消。とくに若年層の患者は最新テクノロジーに慣れ親しんでおり、テクノロジーを活用することに意欲的な面もあり、有効的な手段であると報告する。今はまだ医療現場での活用は見られないものの、研究者は本治療法について引き続き調査を進めているという。