メタボにもレベルがあります。「健康診断でまた“メタボです”と言われちゃったよ」というレベルもあれば、「今すぐ入院して節制しないと、命の保証がないですよ」という危険なレベルもあります。
笑っていられるレベルなら、まだましです。黄色信号くらいです。それが赤信号になると、笑ってはいられなくなります。
加えて、罪なのは銀行です。メタボ体質まっしぐらとわかっていても、お金を貸してきます。太りすぎで自己制御できない人に、食べ物をどんどん差し出すのと同じです。
担保や個人保証をがっちり押さえ、なんらかの手だてで回収の見込みがある限り、銀行は死の直前まで貸し続けます。
なぜなら、銀行はお金を貸す先がなく、困っているからです。
もっといえば、銀行は今、貸付先が会社経営の死の一線を越えていても、お金を貸します。だから、実質的には死んでいるのに、お金という血肉を与えられて徘徊する「ゾンビ企業」が存在するわけです。
(1)「貸借対照表」が読めず、自社の財務体質がメタボかどうかわからない。
(2)銀行の知識に乏しく、借りられるのは財務が健全だからだと思っている。
この2つの傾向があると思われる社長は、どうか、注意してください。
これまで、財務のメタボ体質を脱却し、逆風にも強い、筋肉質の美しいプロポーションに生まれ変わった会社をいくつも見てきました。それらの会社の社長は、みんな特別な人ではありません。覚悟を持って体質改善の筋トレを継続することで、体質・体型を鍛え上げていっただけなのです。