グーグルは2月25日(現地時間)、スペイン・バルセロナで初日を迎えた「MWC19」でプレス向けに発表会を開催した。Googleアシスタントのメッセージへの統合など、最新の機能強化を発表した。

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Android標準のメッセージアプリと統合されるGoogleアシスタント。レストランに行くことを話していたところ、下でGoogleアシスタントが自動的に近所のレストランについて検索しないか提案してきた

2019年のAndroidスマートフォンは
折りたたみ、5Gが2大トレンド

 グーグルでAndroidとPlayビジネス担当バイスプレジデントを務めるJamie Rosenberg氏はまず、Androidの現状やトレンドについて説明した。

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グーグルのAndroid/Google Play担当副社長 Jamie Rosenberg氏

 先週のサムスン、そして前日にファーウェイが実際製品を発表するなど2019年の目玉の1つである折りたたみ可能なフォルダブルフォンについては、「2018年秋に対応を発表し、マルチタスクを容易にしたり、画面の効果的な活用(動画を見ながら、別のアプリケーションを利用するなど)などに取り組んできた」とRosenberg氏は語る。このフォームファクタについては、前述の二社に限らず、他のベンダーからも登場すると予想。今後のトレンドになるだろうとした。

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現時点ではともに20万円以上と非常に高価なフォルダブルスマートフォンだが、さらに広がる可能性はある!?

 もう一つの2019年のトレンドが5Gだ。「初の5GスマートフォンはAndroidベースになる」と予想し、サムスン、シャオミ、LG、ファーウェイ、ソニー、HTC、OnePlus、Vivoなどから登場するだろうとした。

 「インターネットカンパニーとしても、プラットフォームカンパニーとしても5Gに期待している。ネットワークが高速になり、遅延が少なくなると素晴らしいことが起こる。5Gではまさにこれが起こるだろう」とのことで、5G端末が普及を始めると、開発者が5Gのパワーを生かしたアプリを構築して「マジックが起きる」と、良い循環が生まれることに期待を寄せた。

 このほか、Android One/Android Goの両プラットフォームについても言及した。Android Oneは日本でも端末が登場しているが、HMD Global、Xiaomi、LG、Motorolaなどが採用。「アクティベーションの台数は前年比250%増で増えた」とのこと。1GBメモリー以下のエントリークラス向けで、初めてスマートフォンを使うユーザー向けのGoogle Goについては、このクラスのAndroidスマートフォンの50%以上を占めているという。

 Rosenberg氏は最後に、Android 9で導入したスマホの使いすぎを防ぐ「Digital Wellbeing」機能をPixelやAndroid Oneだけでなく、モトローラのmoto g7に拡大することを発表した。先週発表のGalaxy S10にも含まれている。スマートフォンの使用においてバランスをとることは「業界として責任がある」と言及した。

GoogleアシスタントをMessagesでも利用可能に
チャット中に出てきた内容から情報を自動に表示

 後半はGoogleアシスタント担当のエンジニアのBehshad Behzadi氏より、Googleアシスタントの新機能が発表された。

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Googleアシスタント担当のBehshad Behzadi氏

 発表は大きく3つの方向性がある。

 1つ目がハードウェアとソフトウェアの両方でのGoogleアシスタントの統合だ。

 ハードウェアでは前日にHMD Globalが発表した「Nokia 4.2」にGoogleアシスタント専用キーが搭載されるなど、メーカーとの取り組みを進めている。同様のキーを搭載した製品はLG、Xiaomiなどからも登場するという。「Googleアシスタントの専用キーを搭載したデバイスは今後、1億台規模になると予想している」とのこと。

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Googleアシスタントを起動するキーを装備したNokia 4.2

 ソフトウェア側では、Googleアシスタントはすでにマップアプリへの統合を実現している、これをMessagesアプリにも拡大する。Messagesで他のユーザーとやり取りしているときに、会話から関連があると予想される情報を“Suggestion Chips”として提案する。

 デモでは、「今日タパスに行く?」というメッセージに対して、タパスレストランを提案。その中から選択したレストラン情報をチャットの相手に送る。このときに複数のアプリを行き来する必要はない。さらに、レストランへの行き先、レストランに電話する、Yelpのレビューなどのアイコンが双方に表示され、タップすると実際の情報が表示された。

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チャット中にレストランに行くことを相談していたら、自動的に近所のレストランの検索に加え、レストランへの行き先、レストランに電話する、Yelpのレビューのアイコンなどが双方に表示される

 なお、Behzadi氏によると、米国ではナビゲーション、通話、テキストメッセージ、音楽再生などさまざまな用途に使われており、マップアプリとの統合によりGoogleアシスタントの利用が50%向上したという。

 なお、GoogleアシスタントはローカルにあるAIを使うため、会話の内容がグーグル側に送られることはないことを紹介した。1対1のチャット、グループチャットの両方で利用できる。Messagesの統合は今後数ヵ月以内に利用できるようになる予定だ。

メールに含まれる予約番号から飛行機に直接チェックイン
端末内のすべての情報からユーザーの操作を簡単に

 2つ目が、Googleアシスタントがスマートフォンのすべてにアクセスして情報を活用するというものだ。

 具体的には、CESで発表した飛行機のチェックインについて提携を拡大した。当初は米国内のフライトのみが対象だったが、今回ルフトハンザ、スイスインターナショナルエアラインズ、オーストリア航空でも利用できるようになった。

 フライト番号などを伝えることなく、「チェックインして」というだけで、オンラインチェックインプロセスをスタートできる。航空会社のウェブサイトに行き、メールからフライト番号や予約番号を探して入力する必要がなくなり、「大幅に簡単になる」という。

 最新のフライトチェックイン機能は数週間以内に提供する。言語は英語とドイツ語のみ。

 Googleアシスタントはフィーチャーフォンにも拡大し、HMD GlobalがNokiaブランドで採用する「Kai OS」でも、Googleアシスタントを使って自然言語で音声入力ができるようになった。Behzadi氏によると、エントリースマートフォンなどで音声による入力ができることで使い勝手やスマートフォンへの敷居が低くなる効果があるとのこと。

言語処理をさらに高める方向性にももちろん取り組む

 3つ目は世界中の人が使えるアシスタント。たとえば、自然言語処理の改善。「バルセロナの天気は?」と天気を聞くだけでも、20種類もの聞き方があるという。デモでは「明日のバルセロナはテニスが楽しめる天気?」という質問に対しても、「バルセロナの天気は?」と同じ回答を返した。

 また、「チューリッヒのフライトはいつ?」と聞くだけで、予約のメールから、航空会社とフライト番号、日時などを読み上げたり、「空港から家までの時間は?」と聞くと、自宅の住所を伝えずとも予想の所要時間を伝えた。

 また会話的な機能として、最初に「エンパイヤステートビルディング」というとその情報を伝え、次に「高さは?」と聞くだけで、エンパイヤステートビルディングの高さを答え、「いつ?」と聞くと、建築された年を答えるなど、会話のようにGoogleアシスタントが機能している様子を見せた。

 便利なのは、写真への応用だ。写真に写っているものを認識する技術と自然言語処理など複数の技術を組み合わせ「橋が写っている写真は?」「牛が写っている写真は?」と聞くと橋、あるいは牛が写っている写真を表示した。また、パブやスタジアムなど騒音がある環境での認識などにも取り組んでいるとのことだ。

 こうした処理を実現させることで、「簡単に高速にやりたいことができる世界を目指している」とBehzadi氏はグーグルが目指す世界を語った。