エンジニアリング会社の千代田化工建設がピンチに直面している。強みのLNGプラント事業でコストがかさみ、1000億円以上の赤字を計上。資金繰りの不安を払拭するべく、財務体質の強化を急ぐ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
「底が見えない」。今、液化天然ガス(LNG)かいわいの関係者が口々に行く末を案じる企業がある。エンジニアリング会社の千代田化工建設だ。2018年4~12月期に1077億円の営業赤字を計上。通期の最終赤字は、4000億円の売上高に対して1050億円にも上る見込みなのだ(図1)。
悲劇は、千代田化工の受注残高の半分以上を占める主力のLNGプラント事業を中心に起こった(図2)。具体的には、米国で遂行中のキャメロンLNGプロジェクトである。ここで労働者の人件費が高騰し、工事コストが大幅に増加してしまったのだ。