今年の新入社員は売り手市場を反映した「自分ファースト」型2018年の新入社員は「やりがい」と「働きやすさ」を重視している傾向だ(写真はイメージです)

空前の売り手市場をくぐり抜けてきた新入社員

 今年も新年度がやってきた。街は希望を抱いた新入社員で溢れ、桜舞い散る4月の風景に初々しい華やかさを添えている。会社の期待を背負って入社してくる新入社員だが、一方でジェネレーションギャップに悩む先輩社員の阿鼻叫喚が聞こえてくるのもこの季節だ。

 古代人も「最近の若いものは……」と嘆いていたというが、いつの時代になっても古い世代と新しい世代との軋轢はなくならない。わずか1日で退職した新入社員がいた、母親が欠勤の連絡をしてきた、なんていう先輩社員の愚痴もツイッターでは響いている。

 厚生労働省と文部科学省によると、今年の就職内定率 は91.2%(2月1日現在)と、1997年の調査開始以来 、過去最高の値になっている。売り手市場を経て入社した新入社員たちは、どのような性質を持っているのか。新入社員と上手く付き合うためには、どのような心がけが必要なのだろうか。各種のアンケート調査から探っていきたい。

「やりがい」と「働きやすさ」を重視

 まずは、売り手市場をくぐり抜けてきた新入社員が、現在の会社を選んだ理由について見ていこう。明治安田生命が2018年春の新入社員を対象に実施した調査によると、就職先を選んだ理由のトップとなったのは、「仕事のやりがい」で33.9%。女性だけに限ると34.7%となり、「やりがい」を最近の新入社員は重視していることがわかる。