オーナーの男性は、共に店に出ていた妻をがんで亡くして精神的に苦境にある中、アルバイト従業員の確保にも支障を来たし、やむにやまれぬ決断だったという。

 この問題が2月に報じられて以降、世論の盛り上がりもあり、SEJのFC本部もついに、深夜営業の休止を一部店舗で実験すると3月4日に発表したほどだ。

 そんな中で、古屋氏に代わって急きょ講師を務めたのは、野田靜真・SEJ取締役常務執行役員リクルート本部長だった。その講演内容を基に、加盟店の“反乱”に見舞われたSEJの姿勢や今後の方針が垣間見える。

24時間営業の是非には言及せず

 結論から言うと、野田氏は、東大阪のオーナーをめぐる問題について、直接的には一切言及しなかったばかりか、24時間営業の是非、すでに発表している実験についても何も言わなかった。

 野田氏の“ボス”である社長の古屋氏の、24時間営業に対するこだわりは、強い。

 SEJに次ぐコンビニエンスストア業界2位のファミリーマートは、澤田貴司社長が就任以来、「過剰出店により、コンビニ市場は飽和状態」と発言し、SEJに先駆けて深夜営業休止の実験を行うなど、業界の常識にとらわれない姿勢を見せている。

 だが、業界の圧倒的な最大手であるSEJの古屋社長はこれまで、各メディアのインタビューで「24時間営業を見直す考えはない」とたびたび強調してきた。その上、SEJに限らずコンビニ各社の商品の製造・物流体制は、24時間営業を前提に構築されている。古屋氏の意向に関わらず、即座に営業時間を変更するのが難しい事情もあるにはある。

 一方で野田氏が強調したのは、FC加盟店との関係性についての考え方だった。

「オーナー様との対等なパートナーシップを実現するため、粗利分配方式により、加盟店は経営に専念し、本部はそれをサポートする。これまでも加盟店をサポートする数々の施策を行ってまいりました」