終わりに
成長産業へのリスクマネーの提供は株式市場が果たすべき重要な役割であり、投資家への利便性の提供と並び、資本市場の欠くことのできない本質的な機能です。今回発足した「市場構造の在り方等に関する懇談会」でも、「先行投資型の赤字企業の上場事例が少ない中で、そうした企業にも適切にリスクマネーを供給できるようにしていく環境整備が必要」であることが、明確に述べられています。
今回のシリーズでは、おそらく、市場参加者の中で最も声が小さいであろう、新興企業の立場で、筆者の考えをまとめました。本論が、今般の市場構造見直しの議論において、新たな産業の創出に向けた資本市場のあり方を考えるきっかけとなれば幸いです。
*本記事はsignifiant styleに3/8掲載した内容です。