イチローは打席に入る前だけでなく、日常生活でもルーティンを徹底していた。試合開始時間に合わせて起床と就寝の時間を決める。また、朝食も同じものを食べるようにしていたという。ファンに知られたのはカレーライス。草野球のプレーヤーのなかには試合がある日はイチローにあやかって朝食をカレーライスにする人も少なくなかった。

 なお、イチローが朝食でカレーを食べていたのはメジャーでプレーをするようになった数年間で、その後はトーストやうどんなどに変わったようだが、1シーズンは同じものを食べ続けたそうだ。ともあれ、そうしたライフスタイルの面でも注目され影響を与えていたわけだ。

多くのアスリートが導入
「初動負荷トレーニング」も

 スポーツ界ではイチローが初動負荷トレーニングを行っていることも注目された。初動負荷は鳥取市でトレーニングジム「ワールドウイング」を運営していた小山裕史氏が草案した画期的なトレーニング法だ。

 通常のウエイトトレーニングは最初から最後まで力を出し続けなければならないが、実際のスポーツにそうした動作はない。そこに疑問を感じた小山氏は動き始めには負荷がかかるが、その後は力がすっと抜けるマシンを開発した。確かに多くの競技の選手は力を入れるところとリラックスするところを使い分けながらプレーする。ゴルフスイングでも最初から最後まで力を入れ続けたら伸びやかで正確なスイングはできない。インパクトの瞬間に最大の力が発揮できればいいわけで、そのパワーと感覚を身につけるトレーニングが初動負荷だ。この理論の信奉者がイチローであり、効果を示したことで多くのアスリートが初動負荷トレーニングを取り入れるようになった。