737 MAX2割減産の“誤算”

 ところが4月5日、ボーイングは、これまで生産停止にするどころか月産レートすら減らしていなかった737 MAXの生産を、4月中旬から2割引き下げ、月間52機から42機に減らすことを発表した。

 システムの改修とFAAによる再認証、パイロットのトレーニングコースの構築等に経営資源を集中するとの判断だというが、運航再開までの在庫調整の意図も当然あったはずである。

 すでに、ガルーダ・インドネシア航空が737 MAXの発注キャンセルの意向を表明しているように、中長期的に同様の動きがエアライン業界に広がるリスクもある。

“エアバス流れ”の覚悟も必要だろう。「A320neoは売れ行きが好調なだけに、乗り換えようにも、今から発注すると納入までかなり時間が掛かってしまいそうだ」(航空機営業関係者)という難点はあるものの、予備発注分などについては鞍替えされる恐れが否めない。

 安全不安の上、ここにきて、737 MAXの早期の運航再開に暗雲まで立ち込めてきており、全世界のサプライヤーに悪影響が及ぶ懸念が出てきた。

 そして──。日本の航空業界には、“別次元”の課題があらためて突きつけられている。

「中小型の航空機のニーズが高まっているときに、ボーイングの主力の小型機である737 MAXに日本の航空部品メーカーがあまり食い込めていない実態が期せずして露呈した」(経済産業省関係者)からだ。

 ボーイングは現在、次の一手として「NMA」と呼ばれる中型機の開発を検討しているが、「採算が合うだけの確定的な市場が見込めないとして、決断に至っていない」(航空機製造関係者)。

 そこでにわかに期待の声が上がっているのが、737の抜本的リニューアルモデルの開発だ。737前世代機の“マイナーチェンジ”にとどまった737 MAXの製造決定前にも検討された、幻の開発の再考である。

 開発には時間が掛かるため737 MAXをすぐさま代替する機体にはなりそうもないが、墜落機という悪しきイメージを一刻も早く払しょくするためなら、それもアリなのではないか、というのである。

 日本勢には、チャンス到来と同時に軽量化や自動化ノウハウをアピールできるよう、ボーイングの動向を的確にキャッチする情報収集力が求められている。