『週刊ダイヤモンド』4月20日号の第1特集は「NETFLIXとナベツネとコンテンツの未来」です。動画配信という一大市場を切り開き、莫大な収益を上げているネットフリックス。しかし、アップルやアマゾン、ディズニーなどの競合も虎視眈々と機会をうかがっており、競争はさらに激しくなりそうです。(本記事は特集からの抜粋です)
「偉大なストーリーは世界を変える。世界の卓越したクリエーターたちを集結させた、これまでにない新たなサービスを始める」
3月25日、米クパチーノのアップル本社で開催された記者会見。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)が誇らしげに語りながら披露したのは、今秋から提供予定の動画配信サービス「アップルTV+」である。
会見にはサプライズゲストとして、ハリウッドの超大物監督であるスティーブン・スピルバーグが登場。さらには、ジェニファー・アニストンやリース・ウィザースプーンなどのハリウッドの大物俳優や、人気番組「セサミストリート」のキャラクターなどが次々と登壇し、会場を沸かせた。シリコンバレーの企業らしからぬ豪華なゲストの集結に、本気になったアップルのカネの力と、動画配信への意気込みが伝わってきた。
現在全世界で利用されているiPhoneは、9億台を突破した──。今年1月の決算会見で秘密主義で知られるアップルが、初めてiPhoneの稼働状況の実態を明らかにした。
このことは、アップルが端末販売に加え、サブスクリプションビジネスも主軸に置くことを如実に物語っている。そして、ユーザーの手元にある“画面”の数は、動画配信サービスの競争力に直結する強力な武器になる。