当時のFC東京は若手を主体とするセカンドチームの発足を準備していて、Jリーグから承認されれば、すぐにでもJ3リーグへ参戦させる青写真も描いていた。迎えた2016シーズン。ガンバ大阪、セレッソ大阪とともに、FC東京はU-23チームをJ3の舞台で戦わせている。

 久保も中学3年生に進級した2016シーズンから、高校生年代のFC東京U-18に「飛び級」で昇格してプレー。その年の秋にはトップチームへ2種登録され、FC東京U-18に籍を置いたまま、トップチームの試合にも出られる状況が整い、実際にJ3のピッチに3度立っている。

 都内の全日制高校へ進学した2017シーズン。所属こそFC東京U-18だったが、久保の主戦場は2種登録されたトップチームであり、2ゴールを決めたJ3リーグに続いて、YBCルヴァンカップの舞台も経験。秋にはプロ契約を結び、16歳にしてJ1リーグでもデビューした。

 ほぼ同時期に、原則として午前中に行われるトップチームの練習へ、フル参加できるように通信制高校へ転校。プロサッカー選手として活動できる状況を自らの意思で整え、横浜F・マリノスへ期限付き移籍した昨シーズンの後半を経て、今シーズンの飛躍を迎えている。

 帰国後もバルセロナを訪れた久保の目的を、同紙は「いずれバルセロナに戻るため」と解説。その上で復帰後はセカンドチームのバルセロナBに所属してトップチーム昇格を目指すと伝え、ライバルチームのレアル・マドリードやパリ・サンジェルマンも久保に興味を示していると報じた。

 もっとも、スペイン発の一連の報道は、バルセロナからFC東京へのオファーを前提としている。そして、大金社長によれば、現時点で具体的な動きはないことになる。FC東京へ加入した2015年春の段階で、バルセロナとの優先交渉権が契約に盛り込まれていれば話も変わってくる。しかし、同社長は「他のクラブを含めて、特にはありません」と否定する。

 久保に関するニュースを連発する『エル・ムンド・デポルティーボ』は本社をバルセロナに置き、市民の誇りでもあるFCバルセロナに関する報道をメインとしている。下部組織時代に異彩を放った久保の動向を報じるのは当然の流れであり、時には期待を込めた憶測的な記事が掲載されることもあるだろう。