今回、臨時株主総会の開催を要求している株主や、取締役の候補になっている人物らも、「確かに田久保氏は絡んでいる」と認めるものの、「(田久保氏のことを)そんなには知らないし、深い関係ではない」「今後、取締役が交代し、再建のステージに入ったら外れてもらう」などと、一様に距離を取りたがっている。

 事実、かつて取締役候補の1人に名を連ねていた人物は、田久保氏の強引なやり方に対して嫌気がさし、今では五洋インテックスの経営側に転じ、既存事業の立て直しに取り組んでいるという。

株価急騰にヒントか
証券取引等監視委員会も関心

 なぜ田久保氏は、縁が切れた五洋インテックスにこだわるのか。田久保氏の携帯電話に連絡したもののつながらなかったため真相は不明だ。だが、複数の関係者らは「ヒントは同社の株価推移にある」と指摘する。

 2017年9月、五洋インテックスの関連会社で、遺伝子解析検査などを手掛けるキュアリサーチを材料に、株価が一時、1万2000円台(2018年10月の10対1の株式分割調整後)まで急騰した。

 田久保氏が相談役を務めている間にもキュアリサーチを材料に、株価が現在(4月19日の終値は4790円)の3倍程度にまで膨れ上がった経験があることから、「五洋インテックスを手に入れて株価を引き上げ、再び投資リターンを狙っているのではないか」(複数の関係者)と見ているわけだ。

 確かに、田久保氏を含める株主側は、五洋インテックス側からの質問状に、「新役員候補者の実績に基づいて、必ずや貴社の医療インバウンド事業を軌道に乗せ、大きく発展させてくれるものと確信しております」と回答しており、いみじくもキュアリーサーチが狙いの1つであることを示している。

 こうした見方を受けてか、疑惑のある取引に目を光らせる証券取引等監視委員会(SESC)にも動きが見られる。五洋インテックスのある株主によれば、SESCからこれまでに問い合わせを受けているというのだ。

 過去、黒字決算を1度しか達成していない大脇社長の経営手腕に疑問を呈する株主がいるのは、不思議ではない。一方で、内装を本業とする五洋インテックスのヘルスケア関連子会社を材料にした株価に注目していると公言する株主がいるのも事実。

 一般の株主たちは、対立する両者のどちらに軍配をあげるのか。4月28日午後には、決着が明らかになる。