放置していればそのまま土に還るだけ。だから山菜を採取した後、山の所有者に「ありがとさん」と分け前として少し置いていく――。そんな暗黙の了解があるから、誰も事を荒立てたりはしない。

 これがもし、所有者が山の見回りをしていて、見知らぬよそ者がウロウロしていたらどう思うだろうか。トラブルにはならないまでも、いい気持ちはしないだろう。

 慣れない方が図鑑などにわか仕込みの知識で採取するのもおススメできない。その理由は明白で、誤食の危険があるからだ。

 消費者庁によると、16年までの10年間で誤食により502人が食中毒になり、7人が死亡している。死者のうち6人は、前述のギョウジャニンニクに似ているイヌサフランが原因だ。

 これは慣れた人でも見た目だけでは判別しづらく、特有の「におい」で分別することが可能だ。しかし、図鑑などで仕入れた知識だけでは、においは判別できないだろう。

 冒頭に書いた通り、山菜は食べるだけではない。春を待ちわびる雪国の方々にとっては、季節を感じる楽しいレジャーでもある。ツテがあればぜひ、その楽しみを分けていただくことをおススメしたい。

 そして、筆者も山菜採りを楽しんでいた立場として、事故にはくれぐれも注意してほしいとお願いしたい。