バブル期より豊さを実感できないのは気分の問題も

 このように、日本人の生活はバブル当時よりもはるかに豊かで便利なのだが、それが実感できていないのは、当時を想像できない、忘れてしまったのも大きいだろう。当時は「インターネットがなくて不便だ」と感じていたわけではないので、当時が不便だったことが記憶として残っていないのだろう。

 賃金が上がっていないことも一因かもしれない。当時より少しだけ安い給料で、当時よりはるかに安く生活できているとしても、豊かになったと感じにくいのかもしれない。

 格差が拡大しているといわれている。平均的な日本人は当時より豊かであったとしても、個々人の生活レベルからすれば上がっているとは感じられない可能性もある。

 あるいは、他者との比較で自分を貧しいと感じてしまうケースもあるだろう。友人がスマホを持っているのに自分だけスマホが買えなかったら、「自分は貧しいから質素に暮らしている」と感じる。実際にはバブル期の普通の日本人より豊かに暮らしているとしても、だ。

 このように、当時より豊かであることを実感できない理由は多数あるようだが、客観的に自分の生活がバブル期より豊かである事実をしっかり認識し、少しでも明るい気分で新しい時代を迎えられれば、素晴らしいことだろう。