今週から、ワシントンで日米物品貿易交渉(TAG)の初会合が開かれ、北京では日中ハイレベル経済対話が始まった。
大型連休後には米中首脳会談、大阪でのG20サミットが予定され、さらには3回目の米朝首脳会談も取りざたされるなど、日本にも影響の大きい外交案件が、「令和」のスタートとともに目白押しだ。
「令和」の世界は
米中対立が基調になる
思えば、「昭和」から「平成」に変わった1989年は、冷戦が終わり、明るい展望が開け、国々は「平和の配当」を求め、民主主義の下での安定と繁栄を確信した。日本はGDPで米国を追い越さんばかりの勢いだった。
しかし「平成」の30年間は予期したようには展開しなかった。
グローバリゼーションは進み、民主主義先進国と新興国の間の国力の差は縮小したが、先進民主主義諸国国内の所得格差は拡大し、ポピュリズムが台頭し、国際社会の不安定化を招いた。