百度の李彦宏董事長は
中国工程院士にふさわしくない?

 ネットでは、すぐに「李彦宏氏が院士になることに断固反対する」という文章が書かれている。作者の主張はこうだ。

「『中国工程院規約』第二章第五条には、院士にノミネートされ、院士になれる者は『品行方正』であること、と明確に記されている。しかし、李彦宏氏は『品行方正』ではないと思う」

 理由は次の通りだ。

 第一に、無数の患者を苦しめたことだ。百度の検索で医療詐欺広告をうっかり信じたことで、お金を騙し取られたり、誤診、治療の手遅れを招き、最悪の場合は命まで落とすことになったという。魏則西という若い患者を誤診死亡させた事件はまさに蒲田系の医療機関だった。百度マップもこのような医療機関へのミスリードを行い、大きな被害をもたらしているという。

 第二に、モラルが低い企業であると見なされていること。「魏則西事件」やその他の医療事故に対して、百度は会社としてこれまで誠意をもって謝罪していない。また、今日まで蒲田系の医療詐欺集団の広告掲載を通じて、そのネットワークを広げている。

 前述の魏則西事件を、念のために紹介しておく。

 2014年、西安電子科技大学2年生の魏則西さんは、滑膜肉腫を患った。ネットで検索したときに百度の広告を見て蒲田系医療機関に行き、診察を受けた。その医療機関では「生物免疫療法」を宣伝していた。この療法はスタンフォード大学で研究されていたもので、有効率は80~90%にも達していた、と宣伝されている。

 結局、魏さんはその宣伝を信じ、家を売って集めた20万元(約320万円)あまりを失っただけでなく、治療の手遅れを招いてしまい、最終的に正規の病院では治療できなくなり、この世を去ったのだ。

 魏さんがこの世を去ってから、会社のトップとしての李氏は謝りもしないどころか、逆に「我々も20数億元(約330億円以上)を損した」と冷淡なコメントを出した。ネット上には、「もし李彦宏氏が院士になるなら、中国工程院だけの恥ではなく、中国人の恥だ」とまで批判する声もあった。