西川廣人社長兼CEO
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一時休戦かに見えた日産自動車と仏ルノーだが、経営統合構想の再浮上で情勢が緊迫化している。そんな中、日産は対ルノー布陣とも取れる新たな役員体制を発表した。そこには、意外な“隠し球”があった。(ダイヤモンド編集部 浅島亮子)

   5月16日付で、日産自動車は「執行体制」を刷新する。それは、虎視眈々と日産との経営統合をもくろむ仏ルノーを迎え撃つ布陣でもある。

 6月末の株主総会で取締役が選任される前に、日産経営陣が新体制を築くことで先手を打った。

 かねて日産の企業統治は、「経営」を担う取締役会はカルロス・ゴーン氏が掌握してきた。その一方で、「執行」に関しては、ゴーン氏から役員への権限委譲が進められてきた。日産のエグゼクティブ・コミッティ(EC)は、最高意思決定機関として強い執行権限を有してきたといっていい。

 西川廣人社長兼CEO(最高経営責任者)ら日産上層部は、ECメンバーを刷新することで、ルノーの侵略に対抗できる布陣を敷こうと考えたのだろう。

 株主総会開催前の今のタイミングならば、筆頭株主であるルノーの支配力に左右されることなく、既存の取締役会決議だけでECメンバーを代えられるからだ。

 刷新のポイントは三つある。