アジアン飲食店の「営業マナー」に悩む商店街

 老舗店舗がアジア系の飲食店に置き換えられる中、商店街はそれまでになかった苦悩を抱えるようになった。そのひとつが「ゴミ出し問題」であり、また「強引な客引き」である。飲食店が急増した昨今は、歩行者用道路にせり出すように椅子やテーブルを置く、営業面積の拡張行為が問題になっている。

規制線をはみ出して営業する店舗も規制線をはみ出して営業する店舗も Photo by Konatsu Himeda

「日曜日などはただでさえ混むので、こうした行為は危険です。また、ゴミ出し問題が解決しなければ、アメ横のイメージを大きく損ない、火災や犯罪にもつながりかねません。警察や区役所と連携してパトロール隊を編成し注意喚起をするのですが、『あっちもやってるじゃないか』と開き直られ、『見てなければまたやる』といういたちごっこを繰り返しているのが現状です」(千葉さん)

 客引きは学生や女性を狙ったものが多い。客の行く手を阻み、立ちふさがるかのような強引さは過去に問題にもなったが、それが完全になくなったわけではない。

店舗間の競争も激化。せり出すテーブルと椅子で混雑時はいっそう歩きにくくなる店舗間の競争も激化。せり出すテーブルと椅子で混雑時はいっそう歩きにくくなる Photo by Konatsu Himeda

「アジア系の飲食店主たちはそれぞれにいい人なんですが…」と千葉さん。確かに彼らは商売熱心で、バイタリティに溢れ、朝から晩まで実によく働く。それがアメ横の活性化に貢献しているのは事実だろうが、「ルールを順守するという点では、厳しいものがあります」(同)

 皮肉なことに、店舗が急速に多国籍化を進めたのは「アメ横らしさを守ろうとしたがゆえ」だという。

 もとより「アメ横ならではのスタイル」にこだわりを持つ従来の店主たちは、それまでかたくなに「チェーン店には貸さない」という“アメ横流”を貫いてきた。数年前までコンビニが一軒もなかったのもその表れだ。

 その結果、アジアのグルメ店が軒並み増えた。千葉さんは「規制してきたコンビニなどチェーン店の代わりに、アジア資本のグルメ店が増えたともいえるのです」と話す。