質問の好きな人は、相手のことを知りたいという値踏み欲求とともに、面白い話を聞きたいという渇望を併せ持っているものです。その両面を満たして、さらに重要なのは「ああ、この人は面白いし、安心な人だ」と印象付けることです。

 言ってみれば自らのブランドマーケティングです。

 誰でもよそ者は警戒します。外国人だけでなく、知らない日本人にも警戒心を抱きます。それは当然のことです。警戒するということは壁を作るということです。その壁を急がずに崩していく。それが溶け込むということです。その責任は、そのコミュニティーの住人よりもむしろ、よそ者の方にあるのだと私は思います。

 自分という商品の良さと無害さをどうやって売り込むか。新商品のマーケティングと同じです。

きっかけがあれば、
話は自然と広がっていく

 もちろん、誰にでもテレビ出演のようなわかりやすい、多くの人が聞きたがるネタがあるわけでありません。しかし、別にそうしたネタである必要はないのです。

 例えば、私は料理が好きです。これも打ち解けるための突破口になりました。

 しかし、だからといって料理に関する自慢話をするのはご法度です。また、立派な料理をいきなりがんがん作って振る舞うのも避けたほうがいいと思います。引かれてしまいます。

 私の場合は、意図したわけではないのですが、食器洗いの手伝いから入りました。動機は、自分たちもお邪魔している正月どきは実家に人の出入りが多く、たくさんの親類縁者が集まるので、洗い物が大変だからです。少しでも義理の母の力になりたいと思い、洗い物を買って出ていたわけです。