TPK創業者の江朝瑞会長の息子である江明憲副会長はJDIの交渉当事者だ。JDIとはある一点で見解を異にしていた。

 JDIは2019年3月期に1000億円を超える損失を計上し、間もなく1000人規模の人員削減を計画する。連合による支援が4月12日に合意される前に、この重要な内容が知らされずにいた。

「聞いていた数字とだいぶ違う」。江氏は不快感をあらわにした。

 JDIはガンジャンピング規制を盾にした。M&A(合併・買収)の前に交渉相手と情報を交換する行為を禁じる競争上の規制に抵触しないために、4月12日までSUWAに赤字や構造改革計画の説明を控えただけというわけだ。

 だが、江氏にとっては単に情報を隠していた言い訳に聞こえたようだ。資産査定はもう一段踏み込んだ方がよいと判断し、すでにJDIに正式決定の無期延期を伝えている。