フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がルノーに対し、経営統合を提案した。
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FCAがルノーに
経営統合を提案

 フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がルノーに対し、経営統合を提案した。両社の株主が株式の50%ずつを握る統合を目指すという。

 FCAは2009年、イタリアのフィアットが経営不振に陥っていた米クライスラーに資本参加し、14年に完全子会社化する形で合併。アニエリ家が創業したイタリアを代表するオーナー系自動車メーカーである。このFCAが、フランスの2大自動車メーカーの1つで、仏政府が出資しているルノーに経営統合を持ちかけた。ルノーも前向きに検討するとの声明を出した。両社の統合が実現すると、世界第3位の自動車メーカーが誕生することになる。

 ルノーは、日本の日産、三菱自と日仏連合を組んでいる。FCAを入れた4社の販売は1500万台を超えて世界首位の連合軍となるため、その成り行きが注目されているのだ。

 FCAとルノーの経営統合へ向けた動きは突然に表面化したが、これは20年前の独ダイムラーと米クライスラーが「世紀の合併」と称されて以来の大きな衝撃であり、世界中が関心を寄せる事態となった。

 世界の自動車メーカーの勢力図は、かつての米ビッグ3がリーダーだった時代から、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループと日本のトヨタグループが世界覇権を争っていたが、そこにルノー・日産・三菱自の日仏連合が割り込む格好となっている。

 しかし、「自動車大変革時代」を迎え、CASEやMaaSといった技術革新に対応するため、IT企業やAI半導体企業への対抗、あるいは協業が求められている。いまや販売台数という規模の拡大を追うだけではなく、先進技術を取り込まないと勝ち残れない。

 そういった意味では、FCAとルノーの経営統合だけでは「弱者連合」との見方もある。

 確かにFCA、ルノーともに先進技術の開発力には後れがあり、日産と三菱自の電動化技術を活用したいという意図が透けて見える。戦略上、4社連合を前提とし、先進技術の取り込みが欠かせないのだ。