なぜノートをつけるのか?

 ライダー・キャロル氏:「常に最初にみなさんにアドバイスしているのは『なぜバレットジャーナルをやるのですか?』という『なぜ?』というところです。多くの人が途中でバレットジャーナルを諦めてしまうのは、バレットジャーナルをやっても『自分の目的に対してプラスに作用してくれないから』、または『目的がないから』です」

バレットジャーナルが続かなかった私が、発案者ライダー・キャロル氏から直接聞いた3つのアドバイス【書籍オンライン編集部セレクション】バレットジャーナルのインタビューに答えるライダー・キャロル氏
写真提供:学研プラス「GetNavi web」

「バレットジャーナルには2つのストーリーがあります。1つは『アーティスティック』に仕上げるか、もう1つは『ミニマム』に仕上げるかです。どちらにいくかは問題ではないと思います。それはあくまでスタイルの問題で、重要なのは『目的は何なのか?』ということです。なぜバレットジャーナルをするのか、この『なぜ?』が最も重要です」

 これはまさに目から鱗でした。Instagramや雑誌などで特集されるバレットジャーナルは、美しいグラフィックで綴られた日記のようなものがとても多いです。イメージが先行してしまい、私は尻込みしていましたが、ライダー・キャロル氏が最も大切にしているのはバレットジャーナルの基礎の部分であり、バレットジャーナルをなぜ始めるのかという「目的」でした。

ノートは自分自身と向き合うこと

 ライダー・キャロル氏:「人間は1日に5万から6万に及ぶ思考を巡らせているそうです。つまり頭の中では、情報や考えが高速道路の車のように走っています。そうなると人は圧倒されてストレスをため、鬱になることもあります。つまり、情報過多なんです。

 バレットジャーナルは頭の中の思考を一度、駐車場に駐車するようなものです。自分のノートを出してメモをとると、自分の気を散らすものをすべてストップすることができます。FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアの通知からも解放されます。

 今のようなデジタルの時代は、情報を遮断することが重要だと思っています。私たちはいろいろな情報に常に気が散っているような状態ですが、デジタルから一瞬でも自分を切り離して、起こっていることを自分の中で処理することが大切です」

バレットジャーナルが続かなかった私が、発案者ライダー・キャロル氏から直接聞いた3つのアドバイス【書籍オンライン編集部セレクション】出版記念トークイベントの様子。会場:銀座 伊東屋 HandShake Lounge