優秀な人が自然に集まる「採用力が高い組織」は何が違うのか
めきめき実力を発揮する人材が、自然と集まってくる。そんな「採用力が高い」組織には、どんな理由があるのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

未知の領域や新しい分野であっても、臆することなく飛び込んで、めきめき実力を発揮する人材が自然と集まってくる。そんな「採用力が高い」組織には、どんな理由があるのか。僕の体験を踏まえて一考したい。(freee株式会社CEO 佐々木大輔)

「今できること」より
「これから何ができるか」

 広告代理店の博報堂に新卒で入社してから約1年、僕は当時設立されたばかりの投資ファンドへ転職した。それまでの職歴を考えると、そもそも投資ファンドなんてとても転職できるはずがなかった。

 転職先では、投資する会社を分析してどれだけリターンが出るのか、どんな契約書を結ぶのが最適かなどと考えながら、投資のための一連の業務を1人で担う必要がある。当時の僕は、そうした経験はおろか知識だってほとんどなかった。あったのは、「チャンスさえ与えてもらえたら、これまでとまったく違う領域でも楽しんでやれる。頑張って成果を出せる」という気概だけだ。

 案の定、質問にろくに答えられないまま面接は終了した。これはマズい。さすがに肝を冷やした僕は、帰りに書店に寄って質問された内容に関連する本を買い漁り、ネットで調べまくった。そして、その日の夜中に、面接を受けた会社にメールを送ることにした。「今日聞かれたことについて、あの後しっかり考えて調べ直しましたが、こういうことだと思います」という趣旨の長文を送ったのだ。

 結局はその姿勢が評価され、入社が決まった。その時点では経験やスキルがなくても、一晩でそれだけ調べてキャッチアップしようとする姿勢があるなら、活躍する可能性は高い。そう評価してくれたのはすごく嬉しかったし、これには今でも感謝している。

 採用活動は難しい。「今できること」ばかりに囚われてしまうと、「この人だ」という人とマッチングすることはなおさら難しくなる。でも「これから何ができるか」に目を向けてもらえたお蔭で、僕はできなかったことに取り組むことできた。お蔭で成長できたし、会社に対しても貢献できた。それはお互いにとって、良いマッチングだったと思うのだ。