サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)産の原油を積んだタンカー2隻がイラン沖で攻撃されたことを受け、海上輸送保険の保険料が高騰している。船長の中には出航を断念する動きも出ており、世界の石油輸送の要所であるホルムズ海峡が数年ぶりの深刻な混乱に陥る恐れが出てきた。タンカー攻撃のニュースが伝わると、原油先物相場は急伸した。シンガポールのあるブローカーは、安全性の問題や保険料の値上がりを受けて、海運会社はホルムズ海峡近辺での積載を停止していると話す。「今年2件目の攻撃が発生したことで危険が増している。UAEから中国向けに出発する予定だったタンカーも、あまりにリスクが高いとして船長が出航を見合わせている」とし、こうした状況は何年も目にしていないと述べた。