腰痛も軽いものなら自分でケアできる。慢性痛の名医、加茂整形外科医院(石川県小松市)の加茂淳院長から聞いた、患者が自分でできる腰痛ケアを紹介しよう。(医療ジャーナリスト 木原洋美)
グリグリ押して筋肉をほぐす
トリガーポイント・マッサージ
これまで3回(『「頑固な腰痛はヘルニア、狭窄のせい」という医師の説明は信用できるか』、「手術をしても改善しない腰痛患者があふれている理由」、『「慢性腰痛の名医」がMRIを撮らないで治療する理由』)にわたって、慢性痛の名医、加茂整形外科医院(石川県小松市)の加茂淳院長に、腰痛治療の話を聞いてきた。4回目にあたる今回は、患者が自分でできる腰痛ケアを紹介する。
一番のお勧めは、指やテニスボールを使って行う「トリガーポイント・マッサージ」だ。
加茂整形外科では、たいていの患者に対して、自宅でトリガーポイントをほぐすマッサージも併せて行うよう指導しているという。「治療の効果が高まるだけでなく、再発防止にもつながる」とのこと。
その方法は、腰痛の震源地となっているトリガーポイント(骨のように硬い「筋肉のしこり」。全身に100ヵ所以上もあり、従来、原因不明といわれてきた頭部、顎関節、肩、頸部[首]、腰、下肢[足]といったさまざまな場所で起こる痛みの大半を引き起こしていることが分かっている)を見つけ出し、指やテニスボールでグリグリともみほぐして、コリコリに固まった筋肉をゆるめるだけという、お金のかからない簡単なもの。
「軽い痛みなら、このマッサージだけでもよくなります。痛みが出てからそれほど時間がたっていない急性痛や痛みが比較的軽いうちは、まずマッサージを試してみてほしいですね。痛みが改善されれば、慢性痛への移行を防ぐことができる。火災と痛みは、初期消火が肝心です」(加茂院長)