単純に「長期的な投資がいい」という話をうのみにして、とにかく長期間持っていれば増えるだろうと思っていたのが問題でした。このまま持ち続けたら、この500万円の評価がどんどん下がっていってしまうのではないか、そんな不安を強めています。大切な老後資金を減らしてはいけないと必死な様子も相談からうかがえました。

 これ以上減らしたくないと手放すことも考えたようですが、今売却すると、損失が確定してしまいます。そこで、どうすればよいのか悩んで、私のところへ相談にいらっしゃったのです。

リスク許容度を把握して
「分散投資」が長期投資のカギ

 Mさんがこのような状態に陥った要因は、「自分がどれだけのリスク許容度を持ち合わせているのか」がわからないままに大金を投じてしまったことです。本来であれば、少額ずつ投資をし、自分がどのくらいの金額を投資しても抵抗がなく、どのくらい損失が出ても大丈夫であるのかという自分のリスク許容度を把握して、それに合わせた投資をするべきでした。

 また、このリスク許容度を把握できていなかったことに加え、時間の分散をせず、一括で大きな金額を投資してしまったことも、このような状態を生んだ原因です。

 投資にはいろいろな方法がありますが、よりリスクを少なくしたいのであれば、分散は避けられません。地域の分散、通貨の分散、時間の分散、商品の分散といったように分散を意識し、これらを組み合わせながら、うまく商品を選ぶとよりリスクを少なくできるでしょう。

 また、自分のリスク許容度に合わない投資は長続きせず、投資は危険、損をするというイメージにつながりやすいように感じます。それはとてももったいないことです。

 まずは、投資するに当たって自分はどの程度のリスクまでは気にならないか、許容度を考えつつ、自分は投資に向いているのかどうかについても検討していくと、自分に合った投資ができ、老後資金も順調に積み上げられるのではないでしょうか。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)