岡崎がキリンチャレンジカップ中に残した言葉は、川島が胸中に抱く思いをも代弁していたはずだ。いつ訪れるか分からない出番に備えて、コンディションを常に完璧な状態に整える。言葉にすれば簡単ながら、実践するには困難を伴う作業を完遂した先に、日本代表の進化があると岡崎は続けた。

「ベテランと若手の融合、という言葉がロシア大会後によく言われているけど、実力のある選手が最終的に残っていくのが日本代表だと個人的には考えている。そこは若い選手もベテランも一緒だし、お互いにいいところを出し合いながら、強くなっていくのが本来の姿だと思うので」

コパ・アメリカで2人が魅せた
迫真のプレーが若手選手を成長させる

 川島はウルグアイが誇るダブルエースの1人、エディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)が放った決定的なシュートを鮮やかにセーブ。エクアドル戦でこぼれ球を押し込まれた同点ゴールも、相手の強烈なシュートに横っ飛びで反応し、左手一本で一度は弾き返していた。

 ウルグアイ戦でMF三好康児(横浜F・マリノス)が決めた2点目を巻き戻せば、左サイドから上げられたクロスに対して岡崎がニアサイドへ猛然と突進。相手のディフェンダー2人を引きつけた背後に生じたスペースへ、三好がフリーで走り込んできていることが分かる。

 エクアドル戦の先制点も、MF中島翔哉(アル・ドゥハイル)のルスーパスに反応した岡崎が、間に合わないと分かりながらもあきらめることなく加速。鬼気迫る姿が相手キーパーに重圧をかけ、クリアを中島の正面へ飛ばすミスを誘発。中島が無人のゴールへ流し込んで生まれている。

 今回のコパ・アメリカ召集メンバーは、現時点で22歳以下となる東京オリンピック世代の若手が18人を数えた。どんな状況でも決して腐らず、いざチャンスを得れば頼れる両ベテランの背中が、ホープたちが特にメンタル面で成長するための触媒の役割を果たせば――開幕前に漂っていた緊張と不安を自信へと変えた熱戦の軌跡は、日本の未来を明るく照らす点でさらなる付加価値を帯びてくる。