多様な働き方が求められる中、いまサラリーマンの起業や副業が注目を集めている。起業・副業のノウハウを紹介する本が数多く出版され、起業セミナーも連日のように開催されているが、なかなか成功できずに、次から次へと手法を学ぶだけの起業難民も多いという。では、どうすれば起業ができるのか――。これまで1万人超の起業をプロデュースし、『会社で働きながら6カ月で起業する』を上梓した新井一氏に、そのポイントを聞く。
起業して生き残るのは
実は難しい!?
いま、副業や起業に関心を持つ人が増えています。
お金の不安はもちろん、時間や意思決定の自由がないことを打ち破ろうとする人が増え続けており、「自分のやりたいことで自立したい」という大勢の人が、私の主宰する起業塾に参加しています。
とはいえ、いくら会社員としての経験が長くても、起業をしたことがない人が大半です。初めてやることですから、わからないことだらけでしょう。そうなれば、起業はやはりハードルが高いものといわざるをえません。
たとえば、個人事業の実態を表すためによく引用される2002年の中小企業白書によると、個人事業主の廃業率は開業後1年目で37.7%、3年目で62.4%に到達します。開業10年後には88.4%にも上ります。
約9割の人が、起業(独立)をしても廃業に追い込まれてしまうのです。
そこで私がお勧めしているのが「会社員のまま起業準備を始める」という方法です。つまり、副業からやってみて、うまくいったら起業に切り替えるわけです。