
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#16では、富山県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
富山県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
北陸銀行、富山第一銀行が倒産させた企業は何社?
富山県で圧倒的な貸し出しシェアを誇る北陸銀行。その親会社、ほくほくフィナンシャルグループ(FG)は、富山の北陸銀行と北海道銀行が手を結んだ全国で唯一の「飛び地統合」の地方銀行グループだ。
そのほくほくFGが4月1日、北海道銀行が1999年に発行した優先株4297万株(総額214億円)を買い取った。2019年から進めてきた年1回の買い取りがついに完了し、四半世紀にわたる「負の遺産」に幕を下ろした格好だ。
99年当時、北海道銀行はバブル崩壊後の不良債権処理で財務基盤が悪化し、地元救済の形で道内企業・自治体が優先株を引き受けて経営を支えた経緯がある。ほくほくFGの自己資本は厚みを増しており、これから一層の地元企業支援が期待されている。
有力地銀の動向は、地元の企業に大きな影響を及ぼす。企業を成長させて生かすのも銀行だが、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だからだ。特に企業にとってのメインバンクは、倒産するのか、しないのかという局面では、重要な鍵を握る。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、富山県の金融機関を取り上げる。北陸銀行や富山第一銀行のほか、富山信用金庫などの信金も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の富山県の結果を確認していこう。